派遣ってなに?

派遣ってなに?

派遣ってなに?

派遣社員の需要は年々増加しています。1986年に人材派遣法が施行されてから今日までその市場規模は20倍以上にもなり、さらに2004年に派遣法が改正されて以来、私たちの周りで「派遣」という働き方がより身近になってきました。派遣社員として働く人の数は40万人を超えています。しかし、「派遣」についてはまだまだ偏見や誤解が多く、正しく理解されていないのが現状です。

 

ここでは、「派遣」で働いてみようと思った方や、少しでも「派遣」に興味を持った方に対して、分かりやすく人材派遣のしくみについて解説していきます。

 

<人材派遣のしくみ>
人材派遣は以下の3者で構成されています。

 

1. 派遣労働者
派遣社員として働くスタッフのことです。企業がと労働者が直接雇用関係を結ぶ正社員と違い、派遣社員が雇用契約を結ぶのは派遣元である人材紹介会社です。派遣労働者は人材紹介を行う派遣会社に登録し、雇用関係を結びます。そのため賃金の支払いは派遣元から行われ、手当て、福利厚生なども派遣元との取り決めによります。

 

2. 派遣元
人材紹介を行う派遣会社のことです。派遣元はその企業が欲しい人材と派遣会社の登録スタッフとのマッチングを行います。その企業ピッタリ合う人材が見つかったら、派遣先企業と派遣契約を結びます。

 

3.派遣先
派遣労働者が派遣される企業です。派遣労働者は派遣会社が派遣契約を結ぶ派遣先企業に勤務し、その指揮命令に従って勤務することになります。

1. 好きな仕事を選べる
派遣で働くことのメリットは何と言ってもこれです。派遣会社での登録の際に、派遣社員と派遣先企業のマッチングを行うコーディネーターに希望の職種を伝えます。コーディネーターはその希望とマッチする企業を探し、紹介してくれます。新卒の正社員と違って、派遣社員は即戦力となることが望まれるのでスキルは必要ですが、逆に言えばスキルがあるのなら自分の好きな仕事に就くことができます。また、スキルのない方でも未経験者歓迎の派遣の仕事もたくさんありますので、まずはそういった仕事で少しずつスキルと経験を身に付けると良いでしょう。

 

2. 自分のライフスタイルで働くことができる
これも派遣で働く大きな魅力の一つです。勤務地は乗り換えなしの30分圏内がいい、週3,4日程度の仕事を希望、留学費用を貯めたいので短期の仕事がいいなど、あなたのライフスタイルに合わせた仕事をコーディネーターに相談できます。スキルアップのためにスクールに通ったり、さらに別の仕事などWワークをするのも良いでしょう。正社員とは違って副業も許されているのが派遣社員のいいところです。

 

3. 様々な企業で経験を積むことができる
スキルアップのために、契約を更新せずにベンチャーから大手企業まで渡り歩く人もいます。普通の正社員では経験できないような幅広い企業でスキルを磨くことができます。

 

4. 一般的に就職の難しい大手企業でも働くことができる
即戦力となることが期待され、能力だけが求められるのが派遣社員です。有名大学出身でも入ることの難しい大手企業にも、高卒でも働けるチャンスがあるのが派遣のメリットです。

 

5. わずらわしい人間関係に巻き込まれずに済む
派遣社員という立場上、社内の派閥や煩わしい人間関係に巻き込まれずに済みます。また、短期契約のため、部署の飲み会などに参加しなくても正社員ほど気まずくなることはありません。

1. 経済的に不安定
派遣先企業にとっては、必要な時に必要な人材を補充できることが派遣のメリットです。なので、企業が必要としなければ契約は更新されずに打ち切られてしまいます。正社員と比べると立場的にも経済的にも安定しません。

 

2. ボーナスや通勤手当がでない
登録する派遣会社にもよりますが、ボーナス・通勤手当は大抵の場合支給されません。また退職金も支給されません。また、福利厚生は派遣会社によって大きく異なりますので、派遣会社に登録する際には、よく比較検討することが重要です。

 

3. 住宅ローンが組めない、クレジットカードが作れない
小額の借金ならば問題ありませんが、住宅ローンを銀行で組むなどは難しくなってきます。ただ、派遣としての年数が長い場合は特別に認められることもあります。また、クレジットカードの審査も派遣社員では厳しくなってくるので、正社員をやめて派遣で働こうと思っている人は、正社員として勤務している間に作っておくと良いでしょう。

 

4. 低い立場に見られる
派遣社員には基本的に昇給がありません。正社員と比べると立場も弱いため、雑用を任されるなど下に見られがちです。また、一般的には理解されずに偏見を持たれていることも多くあります。

 

5. 能力が要求される
派遣社員はアルバイトやパートより時給が高いぶん、多くの能力を要求されます。新人研修の入らない即戦力となることが望まれるので、仕事に対する責任も正社員と変わりません。

 

6. 時給制なので休みが給与に影響する
月給制である正社員と違い、派遣社員の給与は時給制です。ですので年末年始やゴールデンウィークなどの休暇が給与に大きく影響してしまいます。正社員にとって休暇が多い派遣先は魅力的ですが、派遣社員にとっては休暇の多さが必ずしもプラスにならないことに注意しましょう。

派遣社員は大きく分けて一般労働者派遣と特定労働者派遣の二つに分類することができます。ここでは派遣の種類について説明します。

 

1. 一般労働者派遣
普通、派遣社員というとこちらの一般労働者派遣のことを差します。一般労働者派遣は登録制です。派遣会社に登録を行い、仕事が発生した時のみ雇用契約が派遣元と派遣労働者の間で結ばれます。お給料は契約期間のみ支給されます。

 

2. 特定労働者派遣
特定労働者派遣は派遣会社の正社員のことを差します。特定労働者派遣は常用制で、派遣会社の正社員という立場で派遣元から派遣先企業に派遣されます。一般労働者派遣と違い、正社員なので派遣先での仕事終了後もお給料が支払われます。経済的には一般労働者派遣よりも安定していますが、普通の企業の正社員と同じデメリットもあります。ですので、「派遣社員」としてのメリットを享受したい!という人にはお勧めしません。特定労働者派遣はエンジニア職など、特に専門性の高い職種に多い形態です。

 

また、一般労働者派遣にも種類があります。通常の派遣と「紹介予定派遣」の二つです。後ほど詳しく触れますが、紹介予定派遣とは、正社員として雇用されることを前提として、数ヶ月間派遣社員として勤務することです。この数ヶ月間でお互いに契約の意思が固まれば晴れて正社員として雇用されることになります。正社員として働くことも検討している人は紹介予定派遣を利用してみると良いでしょう。

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